
手品入門として四つ玉をオススメする理由
最初に手品を学ぶ人にとって何の演目がいいか。
特にこだわりがないのであれば、オススメは四つ玉です。
四つ玉は指に挟まれたボールが出現したり消えたり、増えたり、減ったり、移動、変色する手品です。ステージやサロン向けの手品です。
ボールは片手で4つまで増やした後、両手で8つまで増やす手順もあります。
ボールを何十個も使う手順もあります。
手品のエッセンスが総合的に学べる
四つ玉をオススメする理由は手品のエッセンスが詰まっているからです。
姿勢、ボールが出現・消失した時の手の動き、視線、間、移動した時の表現、ボールの消し方(フェイクパス)など手品のエッセンスが四つ玉を通して総合的に学べます。
道具・仕掛けがシンプルなのに多様な手順を作ることができます。
カードやコインなどのクロースアップマジックをやる人にも有益だと思います。
基本セット
基本はボール3つに、シェルというギミックが1つが基本セットです。メーカーによってはシェルが2つついているところもあります。メーカーによってはボール、シェルとも単品で販売されています。
シェルは一つだけ使うのが基本手順ですが、2つ(ダブルシェル)、3つ(トリプルシェル)使う手順も発表されています。ダブルシェルやトリプルシェルを使うと、ボール1つから一気に4つまで増やすことができます。
ボールのサイズ
ボールの大きさ(直径)は1.5インチ、1.7インチ、1.85インチが多いです。
筆者は1.7インチ(約43mm)のボールを使っています。
サイズは1.5インチも買いましたが、筆者にはやや使いにくいサイズでした。ステージでやる場合、なるべく大きなサイズがベターですが、最終的には自分の手にあうサイズを選んでください。
ボールの素材
素材は、シリコン、ラバー、木製、プラスチックがあります。
シリコンは今は主流です。適度な摩擦があり指から滑りにくいです。落とすと弾みます。
欠点は重いことと、値段が高いところです。ワンセット(ボール3つ、シェル1つ)で10,000円前後くらいします。筆者はシリコン製を使っています。シリコン製はシェルが厚いという欠点もありましたが、最近では薄めのシェルも販売されています。
ラバーはシリコンより摩擦がより強いです。落とすとより強く弾みます。軽量です。筆者も持っていますが、摩擦が強すぎるところが好みに合いませんでした。値段はメーカーによりますが、2,000円〜3,000円くらいです。
木製は軽量でボール同士が滑ります。この軽量・滑りのおかげでやりやすい面もあります。指から落ちやすいです。落とした場合は弾みません。値段はワンセット4,000円くらいです。プロで木製を愛用されている方はいます。
プラスチックは表面がイボ状のものも販売されており、滑りにくいです。値段は一番安く、基本セットが1000円くらいで販売されているものもあります。
ボールの色
白と赤が基本色です。シリコン製の場合、黄、青、桃、橙、紫などが出ています。プラスチック製ですと、銀や金もあります。
最初は揃っているマジックショップで直接買うのが理想
このように四つ玉はサイズや素材がいろいろあります。筆者はシリコン製で1.7インチで揃えています。色は白と赤で揃えています。
四ツ玉の様々なサイズ・素材・色がしっかり揃ったショップで直接買う方が失敗は少ないでしょう。
おすすめしたい基本教材
おすすめの教材をご紹介します。
DVD
『カズ・カタヤマのステージ・サロンマジック入門講座 第11巻〜本格スライハンド 四つ玉編!〜』(monthly Magic Lesson)
手順が入門、応用、発展に分かれており、たっぷりの内容です。
難易度は実戦的で、解説も丁寧です。
最初に買う教材としておすすめできます。
『カズ・カタヤマ ザ・マジック・オデッセイ8』(UGM)
四つ玉、シルク、ケーンを組み合わせた手順が3手順入っています。
シルクをかざすと、ボールが一個ずつ増えていくハンドリングが気に入っています。
『MULTIPLYING BALLS』(手品屋)
上口龍生さんによる演技と解説。シングルシェルの手順ですが、中級者以上の難易度です。
スローで演じる美しい演技は参考になります。
『山本勇次の四ツ玉講座』(UGM)
手順一つのみで、入門にしてはマニアックな手順です。
姿勢や足の運び方の解説が貴重で、ステージマジック全般に役たちます。
『山本勇次の四ツ玉講座パート2』(UGM)
上記の教材の手順の続編です。両手で8個まで増える手順。両手でそれぞれダブルシェルを使います。簡単ではありませんが、難しすぎない実践的な手順です。
『Ultimate Guide To Billiard Balls』(日本語字幕版はUGMから発売)
3枚組のたっぷりの内容で技法を網羅的に学ぶことができます。考案者や出典ができる限り言及されているのが素晴らしいです。
ロイ・ベンソン、エイド・デュバル、ポール・ポタッシー、リチャード・ロス、カーディーニの手順の再現と解説が貴重です。
書籍
『クラシック・マジック事典Ⅱ』(東京堂出版)
赤松洋一さんのトリプルシェルを使う手順が収録されています。
『ターベルコース・イン・マジック 第2巻』(日本語版はテンヨー)
Lesson 29に収録。分量は少ないです。入門レベルの手順が解説されています。
『石田天海賞委員会・配本8 島田晴夫の本』
34個のボールを使った手順。ダブルシェルを使います。
レクチャーノート
『JAZZY BALL』
荒井晋一さんの基本セットの手順です。日本のマジシャンが演じる四つ玉に大きく影響を与えました。